気管支拡張症

気管支拡張症は、気管支の内部が円柱状や袋状に拡張し広がってしまう病気で、肺全体に起こる場合と局所的に起こる場合があります。気管支は、一度広がってしまうと、元に戻ることはありません。

 この病気が進行し始めるのは幼少時ですが、現実に発症するのはずっと後になってからのことで、ほぼ年齢を問わず発症しはじめ数年間かけて悪化していきます。早朝と夕方に痰をともなう咳がでて、一般的に喀血もみられます。主に早朝に、咳とともに黄色から緑色の痰が大量にでるようになります。大人は自力で痰を切れますが、小児ではそれができなくなり、拡張部分が更に広がってしまいます。

 拡張部分は浄化作用が低下し、痰がたまって細菌などが増殖しやすくなり気管支炎や肺炎に罹りやすくなります。拡張した気管支には血管も増殖するため、血痰や喀血も出現します。発熱を伴うことや、呼吸困難になることもあります。

 気管支拡張症が広範囲におよぶ場合は、喘鳴や息切れが生じたり、慢性気管支炎や肺気腫、気管支喘息などを併発する危険性もあります。滅多には起こらないものの、極めて重篤な場合には、呼吸不全を引き起こすこともあります。

 

この病気では、気管支の壁の一部が破壊されて慢性的な炎症が起こり、線毛細胞は損傷破壊されて粘液がたまっていきます。気管支の壁は徐々に弾力性を失い、気道は拡張して小さな風船に似た袋状の部分ができることがあります。

 気管支拡張症の発症原因には、先天性原因、後天性原因、および他の疾患に引き続き発症するものとがあります。先天性の原因には、誕生時より気管支拡張症が存在、気管支壁の先天性脆弱、線毛不動症候群、粘液分泌機能異常などがあります。また、後天性原因には、幼児期の肺炎、気管支炎による感染が重要な因子です。